夜の仕事をしていて、最近体がしんどいなぁ……と思ったあなた。その原因のひとつは、昼夜逆転の生活にあるかもしれません。著者は、精神科医として普段仕事をしています。すると、「寝られなくて、身体がしんどい……」と受診される夜職の方が、とても多いです。そんなときは、どうすればいいんでしょう? そこで今回は、私がクリニックでアドバイスしている内容を、わかりやすくまとめました。
■人間は夜行性じゃない
昼と夜が逆になるなんて、人間の身体には明らかに毒です。それも、猛毒。だって、人間は、猫みたいな夜行性の動物ではないからです。そもそも、夕方に起きて、朝方に寝るように、身体ができていません。
寝るのは脳を休めるため。そのためにベストな調節ができるよう、脳は自分で起きる・寝るのリズムを調節しています。睡眠覚醒リズムといいますが、これが崩れてしまうと身体や心が弱ってくるのは当然のことなのです。かといって、仕事を辞めるわけにはいきません。なんとか楽になる方法はないのでしょうか?
■昼に寝よう
どうしても夜起きていないといけないなら、昼にぐっすり眠る方法を考えるしかありません。そのためには、脳をだまして、「いまは夜ですよ~。寝るんですよ~」と、働きかけるのがいい方法です。
夜は、部屋が暗くて静かですよね。その環境を、昼に自分の部屋で作ってしまいましょう。電気を消して、音がするものは全部消します。できたら、遮光カーテンも使ってください。太陽の光を浴びたら、脳は「やっぱり昼じゃん! 起きないと!」と脳が感じてしまいます。脳をだますなら、完全にだましきりましょう。
できる限り睡眠の質をよくするためには、リラックスできる暗い空間を作るのが一番。これは昼でも、夜でも、まったく一緒。とはいえ、自分で昼と夜を逆にしているわけですから、身体にはよくないのは確かなんですが……。
■お酒を控えよう
お酒は、睡眠を浅くして、おまけに体もしんどくなりがちです。そのため、どうしてもお酒を飲まなきゃいけない場合以外は、できるだけ飲みすぎないことが大切です。
「でも、そんなの無理だよ!」という人は、とにかく飲みつぶれないとか、次の日に飲んでた記憶がないということがないように気を付けて。これは明らかに飲みすぎです。飲みすぎたら変な夢も見ますし、身体はしんどいし、いいことはまったくありません。つぶれちゃったりしたらもう最悪。吐いてる間に朝が来て、寝るどころじゃないですからね。
また、出勤の回数をちょっと減らしてみるのもいい方法です。お酒も減らせますし、身体が回復する時間も稼げますので。ちなみに、お休みの場合も「昼に寝て夜起きる」リズムを崩さないようにしておきましょう。
睡眠の問題は、夜の仕事で身体を壊してしまう原因のひとつ。夜に寝むれないのであれば、昼に良質の睡眠をとるよう心掛けるのが大切です。休みの日でも、できるだけ昼夜逆転のリズムを崩さないようにしましょう。昼に遊びにいきたいかもしれないけど、身体も大切にするのも大切ですよ!